1. 東大出て、社会人経験も積んだので、不登校経験について語ることにした
ごあいさつ
はじめまして。訪問ありがとうございます。箱の外の中の人です(「箱の外で考えて」というブログの中の人=筆者です)。
いきなりですが、私は、小学3年生から中学3年生までの約7年間、いわゆる「不登校」でした。
それでも、結局、東京大学の大学院まで修了しました。
学校を避けて不登校になったにもかかわらず(まさにそのおかげだとも思っていますが)大学進学に飽き足らず、大学院にまで進んで研究をしてしまったのです笑
それは、学校での勉強は合わなかったけれども、不登校期間中に自分で進んでやる勉強の面白さに気づいたというのが大きいと思っています。
目次
ブログ立ち上げの理由
現在はといえば、やりがいのある仕事にありついて、それなりに人生を楽しんでいます。
とはいえ、自分のこれまでの人生を振り返ってみると、世の中に対して自分が貢献できることは、おそらく仕事よりも他にあるのではないかように思うようになりました。
それは、同じような不登校の子ども達や、その家族あるいは先生たちなど、不登校の子どもの周りの大人たちに、過去の私の不登校経験とそれに関する自らの考え方を発信しておくことではないかと思い、このブログを立ち上げました。
不登校は一般的にネガティブに捉えられがちですが、私にとっては、不登校経験はその後の人生にとってとても良いものでした。
なので、そういう経験をブログに書いていてくことで、今まさに不登校中だよっていう子たち、そのご家族、または周りに不登校の子がいる方、その他ご関心のある方々に、必ずしも悲観する必要はないこと、不登校でもうまくやっていけるということをお伝えしたいなと思っています。
あえて言えば、「堂々と不登校でいていい」とお伝えしたいと思っています。
不登校の増加と背景変化について
ちょうどこのブログを書いている今年2019年の初めに、不登校の小中学生が過去最多の14万4千人(2017年度)になったということが文部科学省の調査でわかりました(ちなみにその前の2016年度も統計開始以来最多でした)。
(平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)
中学校では前年度比5.6%増の10万8999人、実に中学生全体の3.25%(1000人当たり32人以上)が不登校であったという調査結果が出ています。
小学校においては3万5032人(全体の0.54%)と、中学校に比べて数・割合は少ないものの、なんと前年度に比べ15.1%も増加しています。
このような不登校の増加をみて、「大変な問題だ」「なんとか不登校は解決できないのか」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういう方にこそ、このブログを見て頂きたい思います。
不登校がこのように増加している背景は後々詳しく書いて行きたいと思いますが、2017年度に不登校者数が大きく増えたのは、学校以外の教育の場の大切さを認める法律、いわゆる「教育機会確保法」が2017年に施行されたこと(法律がその効力を持つようなったこと)が大きな要因となっているようです。
この法律は、フリースクールなど学校以外で学ぶ児童や生徒のサポートを目的とするもので、この法律が施行されたことで、今まで学校に行くのが辛かった子たちや、無理をしながら登校していた子たちが、学校以外の場で過ごすことが認められるようになったと考えられます。
今までは、不登校になったとしても、再び学校に通えるようになることが当然のものとして期待されていたことを考えると、その前提が法律によって変えられたという意味で、大きな変化だと思います。
そして、個人的には、これはとても良い方向への変化だと考えています。
しかしながら、法制度によってそのような考え方が支持されているとしても、世の中の考え方、具体的には、不登校の子どもたちの周りの人々の考え方が同じように変わるわけではありません。
このブログでは、制度面では変化が見られている、不登校への考え方、受け止め方について、一般の方にも少しでも理解してもらいたいと思い、自分の経験とそれに基いた考えを書いていきます。
なので、念のためお断りしておくと、このブログでお伝えしたいのは、不登校の人向けの入試対策などではありません笑(自学の仕方などについて、要望等あれば書きますが。)
伝えたいことは他にあります。
伝えたいこと・ブログの目的
このブログでお伝えしたいこと、その目的、私の基本的な考えは主に以下の通りです。
【伝えたいこと】
- 不登校をマイナスの経験とするではなく、その後の人生に取ってプラスとなる経験としてほしい。
- 不登校だからという理由で、将来の目標や希望する進路を諦めたりしないでほしい。むしろ、学校の外で過ごすことでこそ得られる経験や考え方を強みにしてほしい。
【ブログの目的】
- 不登校は解決しなきゃいけない、学校に通わなきゃいけないという固定観念を変えたい。
- 不登校の当事者だけではなくて、その周りの人々も含めて、不登校そのものが問題なのではないということを知ってもらいたい。
- そして、不登校であるという事実だけで、必要以上に悩んだり、苦しんだりする人たちが減ってほしい。
私は、不登校は「解決すべき問題」などではないと考えています。
むしろ私は、不登校は問題解決の1つであるとすら考えています。
むしろ不登校を解決しなければならないと思っていると、学校には必ず通わなければいけないものだという固定観念にとらわれて、学校教育が抱える問題が見えなくなってしまうのではないでしょうか。
もちろん、不登校によって派生的に生じる、つまり、不登校であることが原因となって現れる問題はあるでしょう。例えば、勉強が遅れるといったことです。
でもその問題に対しては、学校に行くということが唯一の解決策ではありませんよね。
お家で誰かから教えてもらったり、図書館で勉強したり、ネットを使って勉強したり、近所の親しい人に教えてもらったり、いろんな解決方法はあります。
不登校に限った話ではありませんが、一度、「こうあるべき」、「こうじゃなきゃいけない」という姿を頭から追い払って、他のうまいやり方を見つけられないか考えてみることは大切なことだと思います。
うまくいくならなんでもあり
ところで唐突ですが、私の大好きな映画の1つに、ウディ・アレン監督の『人生万歳!』という映画があります。
(洋画には珍しく、邦題もかなり良くできていると思いますが)原題の“Whatever Works”という言葉は、作中のセリフでもあります。字幕では「うまくいくならなんでもあり」と訳されています。
この言葉には、アレン監督の人生観、メッセージが込められています。映画は実際にご覧いただくとして、ネタバレにならない程度にアレン監督に語ってもらいましょう。
ウディ・アレン:本当のところ、人生は厳しいことばかりだ。だから他人を傷つけない限り、うまくいくならなんでもありでいいと思う。どんなにおかしな恋愛関係であっても、うまくいくなら、それでいい。それは恋愛関係に限らず、職業や、趣味や住む場所にもあてはまることだね。孤島に一人で暮らすことがその人にとってうまくいくならそれでいいんだ。これ以上言うべきことはない。そしてこれは人生のほかの要素にも当てはまると思う。どんなに型破りな手順でもそれが当事者にとってうまくいくなら、それを追求するのは悪いことでも何でもない。誰かの権利を侵害したり、傷つけたりしさえしなければ、その人の人生を生きるのにうまくいくならそれが何だって構わないってことだよ。
OUTSIDE IN TOKYO / ウディ・アレン『人生万歳!』オフィシャル・インタヴュー
他人を傷つけない限り、というのがポイントですね。私はこれにとても共感するし、不登校を巡るいろいろな問題に対しても同じ考え方が大切だと思っています。
このブログで、不登校についての(ひいては教育や学習についての)常識や思い込みをうまく手放して、今まで当然だと思っていたことの意味を、一緒に改めて考え直してみませんか。